前立腺炎

前立腺炎とは?

前立腺は男性特有の臓器で、膀胱のすぐ下にあり、尿道を取り囲んでいます。前立腺は精嚢とともに、男性の精液のほとんどを作り出します。若い男性ではクルミくらいの大きさですが、加齢とともに次第に大きくなります。その前立腺に何らかの原因で炎症が起きた状態が前立腺炎です。
前立腺炎の発症原因の多くは不明ですが、細菌感染が尿路や血流から前立腺に広がり炎症を起こすことがあります。前立腺炎は細菌感染により急激に症状が出現する「急性細菌性前立腺炎」、細菌感染が原因で少しずつ症状が発生し繰り返し起こる「慢性細菌性前立腺炎」、細菌感染がなく発生する「慢性非細菌性前立腺炎」に大きく3つに分類されます。このページでは主に「急性細菌性前立腺炎」について説明致します。

主な症状

  • 高熱
  • 排尿時の痛み
  • 血尿
  • 頻尿
  • 残尿感
  • 尿の勢いの低下(尿勢低下)
  • 射精時の痛み
  • 精液に血が混じる(血精液症)
  • 会陰部(陰嚢と肛門の間)の痛み

主な検査

  • 尿検査(おしっこの中に赤血球や白血球や細菌が見つかるか確認します。)
  • 尿培養検査(どんな種類の細菌が繁殖しているか、どの抗菌薬が効果があるか調べます。)
  • お腹に超音波を当てて前立腺の大きさを確認する超音波検査
  • 血液検査(体内の炎症反応の程度、腎臓の機能、PSAの数値、敗血症になっていないか血小板や凝固因子の評価をします。)
  • 以前は多くの医療機関で直腸診(肛門から指を入れて前立腺をさわる事)を行い前立腺を指で圧迫し腫れや痛みがあるかを確認していた時代もありましたが、現在は、特に急性の細菌性前立腺炎が疑われる場合、細菌を血液を通して全身にばらまいてしまう危険性があるため前立腺を圧迫する直腸診は基本的に行いません。

治療

  • 抗菌薬(抗生物質)を使用し治療します。
  • 十分な休養と水分補給をして頂きます。
  • 全身状態が悪く重症の場合は連携している病院に紹介し入院加療が必要となります。