溢流性尿失禁

溢流性尿失禁とは?

「溢流性(いつりゅうせい)」とは、「あふれて流れる」という意味で、溢流性尿失禁になると尿が少しずつ膀胱からあふれてしまい、尿漏れが起きます。排尿がしづらくなり膀胱内に残尿が多くなることで、膀胱内に尿をためておける限界を超えてあふれてしまいます。浴槽からお湯があふれてしまうイメージです。
溢流性失禁は、排尿時に通常より長く時間がかかったり強い残尿感があったりすることが特徴です。尿を出し切ることができないためトイレに行く回数が増えたり寝ている間に漏れてしまったりすることがあります。また、少しずつ尿があふれてくるため、漏れていることに気づきにくいということもあるようです。

主な原因

溢流性失禁になるのは、様々な病気で膀胱内にたまっている尿を正常に出せなくなる事が原因です。尿路(おしっこの通り道)が閉塞したり、排尿筋(膀胱を収縮させる筋)が弱くなると尿を正常に出せなくなります。
尿が正常に出せなくなってしまうため、膀胱内に尿が溜まってしまい、限界を超えてためることができなくなった尿が漏れ出してしまいます。 主な原因となる病気は前立腺肥大症神経因性膀胱骨盤臓器脱糖尿病、脳血管疾患、脊椎疾患、排尿障害を起こすお薬の副作用(薬剤性排尿障害)などです。

治療

  • 原因となっている病気(前立腺肥大症糖尿病など)の治療を行います。
  • 膀胱の収縮を促すお薬や膀胱の圧力を下げお薬で治療を行います。(薬物治療)
  • 薬物療法を行っても膀胱内のおしっこを十分に出せない状態であれば、膀胱内にカテーテル(尿道から膀胱に入れる細い管)を留置したり、自己導尿(ご自分で尿道から膀胱に管を入れておしっこを出す)が必要になります。