膀胱がん

膀胱がんとは?

膀胱がんは、おしっこを溜める臓器である膀胱にできるがんです。がんが膀胱の壁にどのくらい深くまで及んでいるか(深達度)によって、筋層非浸潤性がんと筋層浸潤性がんに分けられます。膀胱がんには、尿路上皮がん、扁平上皮がん、腺がん、小細胞がんなどの種類がありますが、9割以上は尿路上皮がんです。
膀胱がんは、リンパ節、肺、肝臓、骨などに転移することがあります。
原因としては喫煙が挙げられます。喫煙者は非喫煙者の約3倍程度膀胱がんになりやすいと言われています。また、ゴム・織物・色素などの工場で使用する化学薬品に慢性的に接触する事も原因の一つとされています。

画像出典:膀胱がん 治療:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

https://ganjoho.jp/public/cancer/bladder/treatment.html

主な症状

  • 痛みを伴わない目で確認できる血尿(無症候性肉眼的血尿)
  • 肉眼では赤くないが顕微鏡で確認できる血尿(尿潜血)
  • 頻尿
  • 排尿時の痛み
  • 残尿感

主な検査

  • 尿検査(顕微鏡で血の成分である赤血球が含まれているか確認します)
  • 尿細胞診(おしっこの中にがん細胞が含まれているか確認します)
  • お腹に超音波を当てて膀胱内部を見る超音波検査
  • 膀胱鏡(膀胱ファイバースコープ)
    尿細胞診や超音波検査で異常を認めた場合は必要に応じて細いやわらかい内視鏡を尿道から膀胱に入れて膀胱内の観察を行います。
男性の膀胱ファイバースコープ
女性の膀胱ファイバースコープ

治療

まず、麻酔をかけて膀胱腫瘍を内視鏡で切除します(TURBT・経尿道的膀胱腫瘍切除術)。治療でもありますが、がんの根っこの深さ(深達度)、どのような種類の細胞なのかなどを正しく病理診断するための大切な検査の意味合いもあります。

画像出典(左):[医師監修・作成]膀胱がんの手術:内視鏡手術(TURBT)、膀胱全摘除術などについて | MEDLEY(メドレー)

https://medley.life/diseases/550578db6ef458f23985d2c5/details/knowledge/surgery/

画像出典(右):膀胱がん|慶應義塾大学病院 KOMPAS

https://kompas.hosp.keio.ac.jp/contents/000255.html

その後、病理診断の結果、がんの進行のリスクが低い場合は定期的に膀胱内を内視鏡で検査しながら経過観察をします。
がんの進行のリスクが高い場合は膀胱内に薬を入れる治療【抗がん薬注入療法やBCG(ウシ弱毒結核菌)注入療法】、大きな手術(膀胱全摘除術)、抗がん薬や免疫チェックポイント阻害薬などによる薬物療法、放射線治療などを行う場合があります。