陰のう水腫

陰のう水腫とは?

陰のう(精巣のまわり)に体液(リンパ液)が水風船にようにたまってしまう病気です。子供の陰のう水腫は、お腹の中から陰のう内につながる細い通り道があり、お腹の中の体液がその通り道を通って、陰のう内の袋にたまることで起こります。
成人の陰のう水腫はお腹の中と通じていない非交通性タイプが主です。原因はよくわかっていませんが、精巣は何層もの膜に覆われており、この膜の間で炎症などが起き、体液が作られるのと吸収されるバランスが崩れると体液がたまってしまうと考えられています。生活に支障がなければ無治療で構いませんが、痛みがないのに陰のうが大きくなる病気として精巣腫瘍がありますので受診し診察を受ける必要があります。

治療

新生児や乳児の陰のう水腫はそのまま様子をみて問題ありません。お腹とつながっていますから時々大きくなったり小さくなったりしますが、多くは成長と共にお腹からつながる通り道が閉じてお腹との交通がなくなり消失します。3~4歳以降になっても腫れが治らない、あるいは鼠径ヘルニアを合併している場合には、お腹の中から陰のう内につながる通り道をふさぐ手術が必要になります。成人の場合、陰のうが大きくなって皮膚が下着と擦れたり歩行しづらいなど生活に支障が出た場合は治療が必要となります。陰のうに注射器を刺して体液を抜き取る処置をすることがありますが、一時的な治療であり、いずれは元通りに体液がたまります。根治するためには手術(陰のう水腫根治術)を受ける必要があります。