陰茎がん

陰茎がんとは?

陰茎がんは男性の悪性腫瘍のなかで0.5%未満とまれながんです。発症年齢は60歳代に最も多くみられます。
以前は包茎により包皮の内側に様々な微生物や分泌物などが貯留し、慢性の刺激により発がんを促していると考えられていました。
しかし、最近は必ずしも包茎との関連性がみられるわけではなく、ヒトパピローマウイルス(HPV)感染の関与が示唆されています。女性の子宮頚がんと同様に性感染症(STI)が何らかの関与をしていることが推測されています。
また、喫煙者の陰茎がんの発症リスクは非喫煙者の約3~4.5倍高くなるとされています。

主な症状

亀頭や包皮の腫瘤(カリフラワー状)、びらん、潰瘍形成などです。通常、痛みは伴わないため、包茎の場合は症状の自覚が遅れることもあり注意が必要です。感染をおこせば排膿(ウミが出る)することもあります。進行すると鼠径(足の付け根)のリンパ節に転移し、さらには血行性に転移し全身倦怠感や体重減少を起こすこともあります。

治療

病期(ステージ)の進行度により治療方針を決定します。 まずは手術です。手術は進行度により内容が異なります。陰茎部分切除術や陰茎全切断術などがあります。遠隔転移が認められる場合は化学療法(抗がん剤治療)を行います。初期の非常に限られたがんの場合は放射線治療や抗がん剤軟膏による外用療法を行うこともあります。