精巣捻転症
精巣捻転症とは?
精巣捻転症は、精巣がそれにつながる精索(血管や精管が通る場所)を軸としてねじれて血管が締め付けられるため血流がなくなり、精巣が壊死(えし)してしまう病気です。思春期前後の年齢に多く、寝ている時(夜中・明け方)に発症することが多いのが特徴です。突然の激しい陰のうの痛みで始まり、次第に陰のうが腫れてきます。吐き気や嘔吐(おうと)を伴うこともあり、症状が正確に伝えられない年少児では、「おなかが痛い」という訴えのために見落とされることがあります。6時間以内に手術で血液の流れを回復できた場合は90%以上が正常に戻るとされていますが、12時間経過してしまうと約50%の精巣は壊死(えし)するとされています。発症早期の医療機関への受診、診断、治療が重要です。
画像出典:陰嚢内が痛い | 日本泌尿器科学会 (The Japanese Urological Association)【一般のみなさま】
https://www.urol.or.jp/public/symptom/12.html
主な症状
- 突然の精巣(陰のう)の痛み
- 精巣(陰のう)の腫れ
- 精巣の位置異常(精巣の挙上と角度の変化)
- 精巣(陰のう)を挙上すると痛みが増大する(プレーン徴候陽性)
- 腹痛
- 吐き気や嘔吐
主な検査
- まずは触診を行います。
- 超音波検査(精巣に血流があるかどうかの確認、精巣上体炎との鑑別。)
治療
精巣捻転症が疑われる場合はすみやかに対応できる医療機関にて緊急手術を行います。ねじれている部分のねじれを解除し血流の回復を試みます。血流が回復すれば精巣は温存できます。同時に今後ねじれないように正常に戻った精巣を陰のう内に固定します。残念ながら血流が回復せず壊死(えし)した精巣は摘除し、片側の健康な精巣がねじれないように精巣を陰のう内に固定します。