精索静脈瘤

精索静脈瘤とは?

精子の通り道である精管、血管、神経、リンパ管が束になって構成されている管のことを精索と呼びます。精巣から心臓へ血液を戻す血管のことを精索静脈と呼びます。 精索静脈には通常は逆流を防止する弁があって、逆流が起きないようになっていますが、この弁が不良となると逆流が生じ、精索の静脈が太くなり拡張します。この状態を精索静脈瘤と呼びます。精索静脈瘤は、思春期以降に発生することが多く、約80%が左側にできます(左の精索静脈は心臓に血液を戻す経路が遠回りをしているためです)。男性の約10~20%に認められ、男性不妊症の原因の約30%を占めると言われています。
精索静脈瘤ができると精巣内の温度上昇、精巣内の低酸素状態が起こり、精子を作る機能の低下や精子の質の悪化が起こります。

正常
精索静脈瘤

画像出典:精索静脈瘤とは | 男性不妊・メンズヘルス診療 プライベートケアクリニック東京

https://pcct.jp/repro/disease/varicocele/

治療

根治的な治療は手術(現在は顕微鏡下精索静脈瘤低位結紮術が主流)です。精巣静脈を結紮・切断することにより逆流を防止します。手術を行う事で精液所見の改善が多くの方で見込めます。
根本治療ではありませんが、抗酸化作用のあるお薬を内服することで精液所見が改善する事があります。