精巣過敏症

精巣過敏症とは?

精巣過敏症は、男性の生殖器の一部である精巣が過敏に反応する状態を指します。
泌尿器科を受診する患者さんの約2.5%が陰のう(精巣)の痛みを訴えて受診するとのことです。そのうち、原因がはっきりわかるものは約50%(精巣上体炎精巣捻転症精索静脈瘤尿路結石症など)、約50%は原因が不明と言われています。原因不明の精巣痛の患者さんの多くは、鎮痛薬や抗菌薬(抗生物質)が処方されますが、あまり効果がない場合が多いです。そればかりか、慢性的な抗菌薬(抗生物質)の使用は、耐性菌を作る原因となり、あまり好ましくありません。

治療

  1. 病因に応じた治療:原因がはっきりわかっている場合は、それぞれに適した治療を行います。
  2. 薬物療法:痛みを抑えるための対症療法として鎮痛薬、自律神経の調整に用いる薬物などが用いられます。
  3. 理学療法:体操やヨガ、マッサージなどが、効果があると言われています。
  4. 物理療法:冷却や加温療法、マッサージなどの物理療法が行われることもあります。
  5. 神経ブロック:痛みの神経が通る精索に向けて麻酔薬を投与すると、痛みが伝わる回路が遮断されて、ある程度長期間にわたって痛みを改善させる効果があるとされています。麻酔科(ペインクリニック)に治療を依頼することがあります。
  6. 精神療法:ストレスや不安などの精神的要因を改善するために、認知行動療法やカウンセリングなどの精神療法が行われることもあります。