腎盂がん・尿管がん

腎盂がん・尿管がんとは?

腎臓で作られたおしっこは、腎盂(じんう)という場所に集められたあと尿管を通って膀胱にたまります。
腎盂、尿管、膀胱の粘膜はみな同じ「尿路上皮」と呼ばれる粘膜で、がんの発生した場所によりそれぞれ腎盂がん、尿管がん、膀胱がんと呼ばれます。尿路上皮に発生するがんの中では膀胱がんが最も多く、腎盂がん・尿管がんは全尿路上皮がんの約5%と言われています。50〜70歳代に多く、男性の発生頻度が女性の約2倍以上とされています。

画像出典:腎がん(腎細胞がん)について:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]

https://ganjoho.jp/public/cancer/renal_cell/about.html

画像出典:泌尿器癌外来 / 医療法人社団協友会 彩の国東大宮メディカルセンター

https://shmc.jp/medical/department/urology/cancer.html#renalpelvicCancer-ureteralCancer

主な症状

  • 血尿
  • がんで尿管がふさがりおしっこの流れが悪くなると、腎盂(じんう)の中におしっこがたまった状態(水腎症)になります
  • 背中、腰、わき腹の痛み

治療

手術

転移のない腎盂・尿管がんに対しては、手術が主体です。浸潤がんであることが疑われた場合は、抗がん剤による化学療法を行った後、手術を行うことがあります。手術は、がんが発生した片側の腎臓、尿管、さらには膀胱壁の一部も含めた腎尿管全摘+膀胱部分切除術を施行するのが一般的です。手術用ロボットを操作して行う出血が少なく皮膚の傷が小さい「ロボット支援手術」で行う事が多いです。表在がんの治療成績は良好ですが、膀胱内に再発しやすいという特徴があります。浸潤性のがんであった場合、浸潤性の腎盂・尿管がんでは、血管やリンパ管が豊富な腎実質内へ進展し、転移することが多く、浸潤性のがんであると判明した場合は抗がん剤による化学療法を行い、再発を少しでも少なくするような治療を行う必要があります。

薬物療法

すでにリンパ節やほかの臓器に転移している場合、手術の適応にはなりません。この場合は、抗がん剤を用いた化学療法や免疫チェックポイント阻害薬を用いた免疫療法を行います。