重複腎盂尿管

重複腎盂尿管とは?

おしっこは左右の腎臓でつくられ、腎盂から尿管を通って膀胱にたまり、尿道を通って体の外に排泄されます。この尿の通り道(尿路)に、生まれながらにして形・位置・数の異常がある状態を尿路奇形といいます。
重複腎盂尿管とは、頻度の高い尿路奇形であり、片側の腎盂(じんう)(腎臓からの尿の出口)と尿管が、重複して2本ある状態です。 重複腎盂尿管は、腎臓の上半分と下半分から別々の腎盂が起こり、それぞれの尿管につながります。その後は、完全型と不完全型という二通りにわかれます。

  • 完全型:それぞれの尿管が別々の穴に開口する
  • 不完全型:途中で合流して1本の尿管として膀胱に開口する

完全型の場合、通常2本の尿管は途中で交差します。上側の腎盂からつながる尿管は正常より下側に開口し、下側の腎盂からつながる尿管は正常な位置、もしくは正常より上側に開口するという特徴があります。

母体のなかで、胎児の尿路がつくられるときに起こる異常が原因です。通常は、左右1本ずつ、尿管の元ができ、これが伸びて腎盂から尿管がつくられます。しかし、この尿管芽が片側に2本できてしまうと、最終的に完全型の重複腎盂尿管になります。尿管の元が途中で枝分かれすると、不完全型の重複腎盂尿管になります。

画像出典:重複腎盂尿管とは?CT画像診断のポイントは? | 画像診断まとめ

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主な症状

重複腎盂尿管のみでは症状は見られません。女児においては、膀胱ではなく膣に2本目の尿管が開口(尿管異所開口)することがあり、この場合には膣から持続的におしっこが漏れることになります。
そのほか、膀胱から尿管におしっこが逆流する状態、もしくは尿管の通過が悪くおしっこがスムースに流れない状態があると、尿管や腎盂の異常な拡張(水腎症)や、繰り返す尿路感染症、腎臓の機能障害を起こすことがあります。

治療

特に症状がない場合、治療は必要ありません。しかし、持続的な尿漏れ、膀胱から尿管へのおしっこの逆流や尿管の通過不良があり尿路感染症を繰り返す場合は、腎臓の機能障害を予防することを目的として、手術(尿管のつなぎ替え、腎尿管の摘出など)が行われる事があります。