特発性血精液症

特発性血精液症とは?

血精液症とは、精液に血液が混ざり、精液が赤くなる状態のことを指します。射精した際に気付きますので、驚いたり、心配になる方も多いです。多くの場合痛みなど他の症状は伴いませんが、精液の色調は鮮紅色が混ざったものから茶褐色調まで様々で、時には血の塊が混ざることもあります。茶褐色の場合は出血してからしばらく時間が経過したのものであると考えられます。精液は精子と精嚢(せいのう)および前立腺の分泌液から成りますが、その大部分は、精嚢と前立腺の分泌物が占めていますので、出血部位としては多くの場合精嚢または前立腺になります。
検査をしても原因がはっきりしないものを「特発性血精液症」と呼び、血精液症の中で多くを占めます。おそらく前立腺や精嚢に存在する微小な血管からの出血と考えられます。
ほとんどは特に治療せずに軽快しますが数週間程度かかることもあります。その他、頻度は低くなりますが、原因として精嚢または前立腺の炎症、尿路性器(精巣・精嚢・前立腺・尿道)の腫瘍や結石、局所の循環障害などが挙げられます。 出血が長引くようであれば対症的に止血剤を処方したり、背景に前立腺炎など感染や炎症があり、痛みなど他の症状を伴う場合は抗菌薬や抗炎症薬を処方致します。