男性更年期障害(加齢性腺機能低下症・LOH症候群)
男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)とは?
いわゆる更年期障害ですが、女性のみではなく、30代後半~50代の男性にも起こる病気です。女性の更年期障害は、女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少する閉経前後の約10年間に起こり、閉経後は症状は治まっていきます。男性の場合、男性ホルモン(テストステロン)は40歳前後から加齢とともにゆっくり減少します。
加齢とともに少しずつ男性ホルモンが減少し、男性更年期障害(LOH症候群)の症状が現れてくることがあります。この場合、原因は男性更年期障害(LOH症候群)の症状であるにもかかわらず、ほかの病気(うつ病など)であると診断されてしまうこともあります。
ストレスや環境の変化などで、血液中の男性ホルモン(テストステロン)が急激に減少すると、症状が顕著に現れやすくなります。
画像出典:男性更年期障害(加齢性腺機能低下症、LOH症候群)|一般の皆様へ|日本内分泌学会
http://www.j-endo.jp/modules/patient/index.php?content_id=71
代表的な症状にED(勃起障害)があります。糖尿病などの生活習慣病が原因とされていますが、最近は血管の病気とも見られています。それは、動脈硬化などで血流が悪くなるとED(勃起障害)が起こるためです。陰茎の動脈は細いため少しの動脈硬化でもその影響が出やすく、ED(勃起障害)は最も早く症状が出る生活習慣病とも言えます。
主な症状
- 全身倦怠感(体がだるい)
- 不眠、不安
- イライラする
- ほてり、のぼせ
- 頭痛
- めまい、耳鳴り
- 呼吸困難
- 動悸
- 発汗
- 冷え
- 頻尿
- 性欲低下
- ED(勃起障害)
- 物忘れするようになる
- 筋肉量が低下する
- ひげなど体毛が薄くなる
男性更年期障害の自覚症状がある場合、採血によるテストステロン測定、その他必要な各種検査は保険診療適応となり、検査をしてテストステロンが基準値より低い場合、男性更年期障害(加齢性性腺機能低下症・LOH症候群)と診断され、治療も保険診療で可能です。
テストステロン(男性ホルモン)についての専門的知識・資格を持った医師が在籍する医療機関での治療をお勧めします。当クリニックではテストステロン(男性ホルモン)治療認定医(2024年8月の時点で長野県内には7人しかおりません)の資格を有する院長が治療を行います。
主な検査
- 問診にて症状の聞き取り→当院HP内のウェブ診断ツール(男性更年期障害質問票)(AMSスコア)をお試しください。
- 血液検査で血中の男性ホルモン(テストステロン)の量を測定します。
治療
- 運動療法(強度の高い有酸素運動)
- 食事療法(適度なカロリー制限・高脂肪食を避け炭水化物やアミノ酸を多く摂取する)
- 漢方薬
- テストステロン補充療法(testosterone replacement therapy:TRT)(男性ホルモンの注射を2~4週間の間隔で行います。)
- ゴナドトロピン(hCG・hMG)補充療法(保険適応はありません)
- ED治療薬(PDE5阻害薬)(ED改善効果に加えて血中の男性ホルモン値が上昇したという報告があります。)
男性更年期障害の自覚症状はないがテストステロン(男性ホルモン)の検査を受けたい、テストステロン値は正常範囲内だが、メンズヘルス(男性らしい体・性機能・精神状態をはじめとした男性力を上昇させ低下を防ぎ総合的な健康寿命を伸ばすこと)を維持・向上させるためにテストステロンを補充したいという方には自由(保険外)診療にて医療サービスの提供が可能です。詳しくはテストステロン(男性ホルモン)・エストロゲン(女性ホルモン)チャージを御参照ください。