腎良性腫瘍(腎血管筋脂肪腫など)
腎良性腫瘍(腎血管筋脂肪腫など)とは?
腫瘍は一般的に悪性腫瘍(がん)と良性腫瘍の2つに分けられます。腎臓の悪性腫瘍は主に腎がんや腎盂がんですが、腎臓にも良性腫瘍は存在します。腎血管筋脂肪腫(じんけっかんきんしぼうしゅ)が最も知られており、他に乳頭状/管状乳頭状腺腫、オンコサイトーマ、後腎性腺腫などがあります。
腎血管筋脂肪腫は、腎AML(renal angiomyolipoma)と呼ばれる良性腫瘍です。名前が示すように血管、筋肉、脂肪を主たる構成成分とする腫瘍です。ほとんどが良性腫瘍ですが、ごく稀に悪性化した報告があります。単発または散発性のもの(80%)と、常染色体優性遺伝である結節性硬化症に伴って生じるもの(20%)に分けられます。
腫瘍ができてもすぐには症状があらわれず腎臓の機能にも影響が出ません。しかし、腫瘍が大きくなってくると、周囲を圧迫したり、腫瘍から出血することもあるので注意が必要です。
画像出典:腎血管筋脂肪腫(腎AML) | がんと希少な病気の情報サイト(ノバルティス ファーマ株式会社)
https://www.gan-kisho.novartis.co.jp/tsc-info/condition/renal-angiomyolipoma
主な症状
- わき腹の痛み
- 血尿
- 血圧が高い
治療
腎血管筋脂肪腫は自然に小さくなることはありません。 腫瘍が大きくなってくると、腫瘍から出血を起こし、患者さんの命に関わったり、腎臓の機能が低下する危険性が出てくるため、治療が必要になります。
画像検査での腫瘍の大きさや、自覚症状を組み合わせて治療をおこなうかどうかが決定されます。一般的には腫瘍が4cm以上、または腫瘍に生じた動脈瘤の径が5mm以上で治療の対象となります。
腎血管筋脂肪腫を取り除く手術、腫瘍に栄養を送っている血管をふさいで腫瘍を小さくする手術(動脈塞栓術)などがおこなわれる場合もあります。お薬で腎血管筋脂肪腫を小さくするという選択肢もあります。