低活動膀胱(UAB)

低活動膀胱とは?

低活動膀胱(underactive bladder)は、膀胱の筋肉層のうち平滑筋の収縮が弱まることにより起こります。この平滑筋の弱まりは、神経障害、加齢、薬剤の副作用、糖尿病、脊髄損傷などが原因となることがあります。低活動膀胱は、膀胱内の残尿が多くなるので尿路感染症などの合併症を引き起こします。

低活動膀胱の症状には、以下のようなものがあります。

  • 排尿困難:おしっこをうまく出せず、排尿時間が長くなる。
  • 頻尿:膀胱内にたまっているおしっこを一度にまとめて出せなくなり、頻繁にトイレに行く。
  • 尿失禁:膀胱内のおしっこがいっぱいになっても、うまく出せないのでおしっこがあふれてくるように漏れる(溢流性尿失禁)。
  • 尿路感染症:残尿として古いおしっこが膀胱内にたまることで、細菌が繁殖しやすくなり、尿路感染症を引き起こす。

低活動膀胱の原因には、以下のようなものがあります。

  • 神経障害:脊髄損傷、多発性硬化症、パーキンソン病など。
  • 加齢:年齢とともに膀胱の筋肉が弱まることがあります。
  • 薬剤性排尿障害:総合感冒薬(風邪薬)、抗アレルギー薬、抗ヒスタミン薬、抗うつ薬などの精神疾患領域のお薬などが原因となることがあります。
  • 糖尿病:高血糖が神経障害を引き起こし、低活動膀胱になります。

治療

尿道を広げることで尿を出やすくするお薬(α1受容体遮断薬)や膀胱の収縮を強めるお薬(コリンエステラーゼ阻害薬)を使用します。しかし、お薬を内服しても効果のない場合は尿道の出口から管(カテーテル)を入れておしっこを出すような治療(尿道カテーテル留置、間欠的自己導尿)が必要となります。